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社長日記

2007年11月25日

一週間の日記 11月19日から11月24日まで

11月19日(月)
◇霞ヶ関ビルにて、林雄二郎塾(森を見る会)。10数名が集まる。林さんは、個別に会って話すと、いろいろな話にジャンプするのだが、あらたまった会議とか講演になると、同じネタを繰り返すことが多い。みなさん、これは「円生の落語」だと思って、微妙な違いを楽しんでください(笑)。

◇そういえば、僕も、90年ぐらいから「講演ネタ」は別に用意して、観客や自分の体調・気分などによって、微妙に違えながら繰り返している。これは、その時に「ああ、講演というのはミュージシャンのライブと同じなんだ」と気がついて、楽曲を作るように、自分のネタも整理した。イントロはこのネタで、盛り上がりにかけたら、このネタを、大企業向けには、こいつをかましてやろう、みたいな感じで講演の内容を決める。この辺の持ちネタが用意されているので、今では、ほとんどどんな場合でも、特に準備はしなくても講演が出来る。もっとも僕の場合は、「自己紹介だけで2時間つぶせる」という特技があるので(笑)。

◇森を見る会をやって、あらためて林さんの思想を反芻している。ああそうなのか、と改めて発見することがあった。やはり、思想というのは本を読んだだけでは理解出来るものではない。そういえば渋谷陽一が吉本隆明さんと会ってレクチャーを受けているようだが、僕と林さんの関係みたいなものか。

◇会議の終了後、居酒屋へ。91歳の林さんは今でも毎日、1合の晩酌は欠かさないということだ。「ここ、数年、風邪もひいたことない」という。長生きの秘訣を聞いたことがあるが「くそ真面目な奴は、みんな早死にしちまったな」と言っていた。絶えず、世界に対する好奇心がある限り、不測の事故や病気や、生理的な寿命以外に死ぬ理由はないものな。

11月20日(火)
◇林さんから電話。「君が連れてくる人は、楽しい人ばかりだね。僕にとって新しい宝物だよ」と。とても嬉しい。更に「君は素晴らしい教育者だな」とも言われる。とてもとても嬉しい。

◇オンブックの会議。カラー印刷の要望が強いが、かなりのコスト高になってしまう。なんとか、対応策を考えたい。

11月21日(水)
◇「ミシュラン」の東京版が登場してマスコミ騒然。この本の意味は、日本人向けのものではなく、外国のブルジョア向けである。もともと自動車産業が発展していく過程で、よりタイヤを磨り減らしてもらいためにタイヤ会社が作った戦略がミシュラン・ガイド。日本企業のメディア戦略も、このぐらいのスケール感が欲しいですな。ギネスだって、酒場の話題提供のためにビール会社が企画した。ミシュランの東京版の英語版が世界で発行されれば、日本に世界中の観光客が向かう。せめてその人たちのためのポータルサイトを作るべきだ、と10年前から僕は言っています。ビジット・ジャパン・キャンペーンのサイトも、もっとやりようがあると思うのに、相変わらず「フジヤマ・ゲイシャ」のセンスだ。なにはともあれ、予想以上の盛り上がりになりました。デメ研秘密研究員の皆様、お疲れ様でした(笑)

◇午後から教育CSR会議の編集会議。金子くんと周平くん。今週から水曜日に定例編集会議が組み込まれることに。定例会議が増えてきた。

◇夕方からベネッセの企画会議。終了後、天狗で食事。

11月22日(木)
◇ロッキングオン定例会議。来週から会議時間が延びて2時間(1時間の会議を2つ)になると渋谷社長の指示。新しく営業で入った人とエレベータで一緒になる。普通に挨拶したら「僕は中学生の時からロッキングオンを読んでいたので、よく知っています」と言われる。20代の時にロッキングオンの中心メンバーであったということは、僕にとって一生ついてまわるんだろうな。悪いことではないが。

◇午後からODECOの会議。夕方から塚本くんに来てもらって、デザインなどの打ち合わせ。

11月23日(金)
◇勤労感謝の日。有楽町のビックカメラに買い物。急に鰻が食べたくなって、国際ビルの「菊川」へ。神田の本店の方に行きたかったが、ちょっと面倒で。時々突然食べたくなる料理ってある。そういう時に行く店は決めてある。キャベジンをつけてもらう。

◇銀座からメタブレーンの太田さんに電話して恵比寿へ。メタブレーンと名前の似ている「メタローグ」が倒産したらしい。書店に営業行くと「おたく潰れたのでは」と言われたとか(笑)。出版社の倒産は、切実。オンブックは「儲けるよりも損をしない」ということをテーマにしている(笑)微妙な出版社なので、無茶をしなければ倒産することはないが、それでも固定費はかかるので大変だ。ネットで出版社の倒産を調べていたら、京都の三月書房さんのサイトに「最近消えた出版社」というリストがあった。三月書房さんのサイトで紹介されている本、渋いですね。保田輿重郎とグレゴリ青山に関心あり(笑)

11月24日(土)
◇ドラクエの「導びかれし者たち」がスタート。指が痛くなる。

◇事務所に、1990年の「一応族の反乱・出版記念パーティ」のビデオがある。これはリクルートの映像部隊の人たちが撮影したものなので、業務用マスターテープになっている。どなたかエンコード出来ないか。テープの種類は、「BETACAM SP BCT-90ML」とある。

◇自分の新刊のための原稿整理。企画を抱えているものだけで数冊ある。

11月25日(日)
◇ホフディラン・小宮山雄飛くんの「欲望」を何度か繰り返して聴く。

◇子どもの頃、銭湯に行くと浪曲をうなってる爺さんがよくいた。浪曲でないまでも、湯船で歌を口すさんでいた人は多かった。僕が通っていた銭湯は、舟木一夫がデビュー前に通っていて歌を口ずさんでいた。デビューしてからは銭湯の親父が応援団を組んで、舟木さんの誕生日に銭湯に行くと、全員にケーキが配られたりした。何のことかというと、家庭用の風呂にカラオケセットを組み込めば大ヒットすると思うのだが。半身浴(私は昔からヘソ湯と呼んでいる)がこれだけ普及したのだから。

2007年11月18日

一週間の日記 11月12日から11月18日まで

11月12日(月)
◇デメ研サーバーの移行で、ドタバタ。1996年より使っているデメ研カレンダーが動かなくなって、僕と亀田くんがあたふた。何しろ10年使いながら、システムの後藤くんが改良してくれた、なじみのシステムなので、生活に密着している。それと、後藤くんの作った「サークルサイト」は、僕が愛用しているソリューションで、会議室、ML、カレンダー、会員登録など、コミュニティに必要なものが全て揃っていて、自由に組み合わせが出来るという優れものである。リアルテキスト塾の教室は、このシステムがあるから可能になった。

◇元祖パラドルのMさんの携帯動画が流出。あらゆる領域で内部情報の流出という現象が起きている。すでに「内部」や「裏面」とういうものが存在しえない社会環境になりつつあるということだろう。食品関係の内部告発というのも同質だろう。Mさんのことで、いやな気持ちになるのは、彼女がこの映像を撮らせた時、彼女は相手の彼氏を信頼していたはずだ。やがて別れて映像が流出するなんて、その時は思わなかっただろう。しかし現実にこういう問題が起きてしまうと、これからの若い子は、彼氏と付き合う時も彼氏と別れた後のことをシュミレーションしながら付き合う、ということになるのではないか。人は、その都度その都度、真実のリアルを生きているわけだが、やかでどうなるかわ分からない。それは別のリアルだからだ。だけど、こうやって、その時のリアルな真実すらも、不安の中でしか確かめられなくなるというのは、いやな時代だ。

◇僕は写真を撮っている。肖像権というものが露骨に浮上してくると、写真なんか撮れなくなる。現在は、顔が特定できなければ問題ないが、インターネット社会の発展は、一枚の写真から、顔が写っていなくても個人を特定出来るような情報システムを目指しているわけだ。とりわけgoogleのような考え方は。そうなった時に、カメラは拳銃と同じように被写体に向けただけで拒否反応を起こすようになってくる。すでにアメリカでは子どもに向けてカメラは向けられない。梅加代さんみたいな人物とらせたら天才的というカメラマンは大変だろうな。

11月13日(火)
◇オンブックの会議。オンブックの10月新刊の『インピーダンス・マッチング』澄野一樹・著は、ちょっと変わった小説である。技術者が技術者として成長していく過程を描かれているのだが、多くの企業内エンジニアに共感されることが多いだろう。これだけハイテク産業が普及しながら、そこから生まれてくる文学が少ないというのも奇妙であった。エンジニアの方、これからエンジニアになるうとする方は、ぜひ。

◇目黒のいつもの喫茶店で金子くんと待ち合わせ。駅ビルの中にあるこの店は、フルーツが山盛りついてくるので、お気に入りである。金子くんと合流して、教育CSR会議の環境教育をテーマにしたCMEコデックスの野沢さんたちのチームと定例会議。12月13日から15日までに行われる「エコプロダクツ2007」に共同出展する。

11月14日(水)
◇電通の田中くんにランチをごちそうになる。いろいろと今後の展開を検討。

◇銀座で、金子くんと周平くんと待ち合わせ。教育CSR会議の次号の編集会議。なんだか、ここ数日で、教育に対しての僕らのスタンスがみるみると見えてきて、イメージが固まった。雑誌については作業を共同してくれる仲間を捜している。とりあえず周平は編集者なので、中心メンバーで協力してもらうことに。面白くなってきた。

11月15日(木)
◇ロッキングオンの会議へ。RO69のサイト作りを手伝っている。内在する可能性が大きすぎるサイトだ。今年のカウントダウンは、忌野清志郎の復活ライブになる。清志郎がガンになって、渋谷は心底ガックシきてたので復活は嬉しいだろう。暮れの幕張に行く人いれば、現地で会いましょう。

◇コンテンツワークスの三宅さん来社。オンブックの新しい商品を模索。

◇オデコの定例会議。登録プログラムはだいぶ増えた。亀田くんは相変わらず全国の学校を飛び回っている。

11月16日(金)
◇Web協会と教育CSR会議の共同開催によるシンポジウム。予定していた会場がとれなくなったために、三井不動産に相談して、三井の築地ビルの部屋をお借りする。築地の一等地で、セミナールームとしても最適。

◇滑川海彦のWeb2.0講座と、亀田武嗣の全国学校行脚報告、橘川のアジテーションと(笑)内容の濃いいセミナーであると自惚れ。はっきり言って、普通のセミナー屋さんや企業がやるセミナーなんて、ほとんど寝てしまうものばかりですよ。どこかに書いてあることや翻訳文書を読み直すだけのものだからね。まぁ、次回のセミナーもご期待ください、ということで。

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▲滑川の大学授業風講演

◇セミナー終了後に、静岡から商工会議所青年部の榎戸さんらが待ってて、打ち合わせ。いろいろ頼まれる。

◇そのあと、日販の柴田くんと、銀座で、ふぐ会食。学芸大学にふぐの専門店が出来たので先日、カミさんと食べに行ったか、銀座のふぐはまた格別。

◇一日しゃべり続けで、週末はバテるね。

11月17日(土)
◇田口ランディが来社。ランディは80年代にUPUにいた。彼女は僕が1990年に「一応族の反乱」(日経新聞社)という本を出した時の出版パーティの時は発起人になってくれた。ただし、その時の発起人は80人もいたのだが(笑)参加者は600人以上という、ものすごいイベントであった。とにかくUPUの連中とリクルートの連中が共同して手伝ってくれた。確かリクルートの映像の人がドキュメント映像を撮ってくれたはずだが、どこかにいってしまった。「一応族の反乱」は、今、読むと時代感覚としてはちょうどよいかも知れないね(笑)。ユーズドで39円です。

◇あれから17年、リクルートからは優秀な営業マンやコーディネーターを世の中に排出したが、UPUからは、文章家が何人か出てきたし、良質な出版社や編集プロダクションを営む人たちがいる。UPUは文化であり、リクルートは文明であったということだろう。

◇ランディのサイトについて、いろいろ相談を受けて、おしゃべり。

◇信国真理子と待ち合わせをして、要町病院へ。長期入院しているイトヒロのお見舞い。イトヒロは、「ポンプ」の仲間であり、以来、いろんな仕事のイラストを描いてもらってきた。イトヒロの 『草野球な人々』を持って行く。

◇イトヒロは一時期は余命数ヶ月と宣告されたが、投薬が効いて、奇跡的に悪化の進行が止まった。病室に入ると、イトヒロがベッドに座っていた。体型は以前のようなスリムな体つきになっていて、ああ、よかったよかった。見舞客は多いようだが、寂しがり屋なので、見舞客がいない日は寂しそうだ。スケッチブックに病床で描いた絵があって、なんだか不思議なパワーを感じる絵なので、預かってきた。なんか、作品にしてあげようと思う。

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▲イトヒロが病床で描いた絵。旅行好きなイトヒロが世界中の絵を不自由な身体で描いている。切ない。

◇先週は僕の母親が検査入院だとか、昨日は、久米くんのお祖母ちゃんがなくなったりと、病気や入院の話が日常会話になってきた。元気であることの幸福を噛みしめながら、もっとちゃんと生きないと。

◇信国とタイ料理。信国とは彼女が高校生ぐらいの時にロッキングオンに投稿してきたり、ポンプの常連メンバーになったりしてと、凄く長い付き合い。オランダ系の銀行に入社して、やがてモルガン銀行にヘッドハントされて、そのままバイス・プレジデントまで昇りつめ、企業年金の責任者になった。しかし、モルガンがスタンレーと合併した時に「20世紀的な仕事は終わり」と宣言して、退社。鍼灸学校に行って国家試験を取得。現在は麹町で鍼灸診療所を構えている。知らなかったんだけど、マヤの治療法をアメリカの学校でマスターしてきたらしい。この治療法が出来るのはアジアでは信国一人なので、香港あたりからも客が来るとかいう話だ。80年代初めに僕がペンチャークラブの講演を頼まれてやった時に、信国たちは、そのままベンチャークラブの中に入り込んで、手伝ってたりして、なんともパワフルな行動力のある女である。こないだグルジアに遊びに行ってきて、不思議なお菓子をイトヒロへのお土産として持ってきた。年期の入った宝塚ファンで、最近は、うちの女房と娘が信国の誘導により、宝塚ファンに育てられつつある。ちなみに、アイトランスポートが入居している麻布の信国ビルは、彼女のビルである。

2007年11月12日

一週間の日記 11月5日から11月11日まで

11月5日(月)
◇午前中、神保町に。神保町に来るのは古書展のやってる土曜日が多いのだが、午後からタウン情報全国ネットに用があるので、神保町散歩。僕は四谷生まれ育ちで高校生の3年間は麹町に住んでいたので、神保町は昔から近場の遊び場だった。天ぷらの「いもや」は高校生の時に出来た1号店に通った。専修大学前の店だ。高校時代は山岳部だったので、古い「岳人」とか「山と渓谷」などのバックナンバーを揃えるために古本屋を回った。大学に入ってからは、マンガ評論家を目指していたので(笑)真崎・守とか宮谷一彦の古い作品の掲載している雑誌を買い漁って、ホッチキスを外して切り取り、自分で作品集に作り直していた。白山通りにあった「ウニタ書舗」では多くのミニコミを買った。たまたまそこで見つけた「レボリューション」というロックのミニコミ雑誌を買ったことによって、渋谷陽一、岩谷宏と出会うことになった。

◇今はミニコミ書店というと、すずらん通りの「アクセス」だけど、もうすぐ閉店するそうで心配したが、三省堂の中に復活するそうだ。すずらん通りというと、「ポニー」というよく出るパチンコ屋があって、高校生の時はよく通ったな。タバコの「いこい」に交換すると親父が買ってくれた。

◇三省堂の2階で金子くんと待ち合わせして、三崎町のタウン情報へ。タウン情報全国ネットとは、僕が「ポンプ」をやっていた70年代後半からの付き合いで、当時は日暮里の方の怪しげな一角にあった。小鹿さんが事務局をやっていた頃で、全国のタウン誌が持ち回りで幹事をやり、それぞれの地元の酒とつまみを持ってきて銀座で宴会をやったりしていた。タウン誌は70年代に全国で同時多発の動きでスタートした。それぞれ栄枯盛衰があり、今は、インターネットとクーポン雑誌の影響で大変そうだ。

◇ODECOの説明をして全国のタウン誌の連中に「教育と地域活性」のテーマで話をさせていただくように頼む。

11月6日(火)
◇オンブックの会議。オンブックの企画でバジリコで発行される「愛しのサザビー」は15日の発売予定なので、まだ見本しか印刷していないのだが、書店からの注文が殺到して増刷が決定。オンブックは「小規模コンテンツ流通システム」なので、一気に売れそうな企画は外部の出版社と提携する。その第一弾だが、幸先の良いスタートとなりそうだ。

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11月7日(水)
◇出版社経営者としては「ブックオフ」のようなアウトサイダーは問題なのだが、一消費者としては、こんなに便利なものはない(笑)。アマゾンのユーズドも新刊が売れなくなるだけだが、自分で自分の本を購入する。新しいクライアントなどに会う時に進呈する用だ。ほとんど読んだ形跡もない美品が10円で売ってる。あの仕組みは未だに分からない。なんで1円とか10円で売って、古本屋の手間賃が出るのだろうか。物流からアフリエイトでもあるのだろうか。誰か知ってたら教えて。

◇「ブックオフ」に並ぶのは大量生産・大量消費された本が大半である。オンブックのようにもともとが少量生産のものは、出ようがない。本の内容は新刊だから素晴らしいのではなくて、古くても良い本は良いので、そういう意味では新刊書店よりブックオフの大きな店の方が、本を選ぶ喜びがある。

◇しかしだ。これまで100円コーナーがお気に入りだったのだが、いきなり200円になっている。しかも、ポイントがツタヤのカードに移行している。レジに文句を言うと「店内に一ヶ月告知しました」と言う。そんないい加減な告知はあるか、と思ったけど、バイトの子をいじめてもかわいそうなので不機嫌な顔して店を出た。なんのことか、すぐに分かった。ブックオフの創業オーナーが会社私物化のトラブルで失脚して、おそらく金融のプロたちが経営陣に入り込んだのだろう。それで売上げを倍にするにはどうしたらよいか、100円を200円にすればよい、というアホな議論が為されたのだと想像する。カードも、こんな素人くさいのではなくて、ツタヤと提携すれば、コストも下がるしお客さんへのメリットも増える。なんて、具体的なお客さんのことなど考えてもいないのに抽象的な理屈だけで、進めてしまったのだろう。ヤダヤダ、地域の八百屋が頑張って、地域のお客との関係の中で店を発展させて良質なスーパーにしたが、上場してオーナーがM&Aの会社に転売した瞬間に、そうした商いの関係性は切れて、ニンジンを売るのもガソリンを売るのも同じレベルでの経済原理だけで利益追求を始め出す。自分たちの店を維持・発展するための利益追求ではなくて、利益のための利益追求だから、本来の仕事の中身なんか誰も見なくなる。会社の数字を化粧して他に転配するのが金融屋の目的なのだから。いやなご時世だ。JPというのは、それの最たるものになるかも知れない。誰もが「本来の業務」に誠実でなくなれば、日本の商いは滅びる。

11月8日(木)
◇午前中、ロッキングオンの会議へ。いつもは、カミさんの小林裕子と行くのだが、今日は別の取材が入ってしまったので、代理で娘の友ちゃんと行くことに。渋谷陽一が友ちゃんのことを見てたのは赤ン坊か、小学校に入る前の頃だったろう。帰りに友ちゃんと中華のランチ。

第2回CANPAN大賞の授賞式に参加。今年で2回目の審査員。CANPANブログというのは、日本財団の新しい試みで、これまで財団は民間団体に金銭や物資の助成をしていたが、インターネットのソリューションを提供することでNPO活動を支援するということである。現在、CANPANブログの他に、企業のCSR活動や、学術団体などへのソリューション支援活動を進めている。

◇審査員の中には、仙台の加藤哲夫くんがいて、久しぶりの再会。加藤くんは、大昔、宝石の営業マンをやっていて、「ポンプ」によく投稿してきた。その後、仙台で「カタツムリ社」というミニコミ書店+出版社をはじめて、彼が90年代のはじめに仕掛けた「スピリット・オブ・プレイス」というイベントは、いろんな意味で大きな影響を与えた。僕もそのイベントのスピーカーとして参加し、大谷ゆみこさんと出会った。来客の中に、おきたりゅういち君を発見し、近日、会うことになった。彼は、若き天才であり行動者である。

11月9日(金)
◇サイボースの創業メンバーである高須賀さんらが来社。アメリカのオレゴン州ポートランドで「LUNARR」というサービスを準備中である。内容を聞いたが、使い方次第では、いろいろと使えそうだ。高須賀さんは、サイボーズで成功したが、それを退いてアメリカでもう一度ベンチャーを創業した。アメリカには、ベンチャーで成功しても、何度も何度も新しい創業を繰り返す人が少なくないが、日本人の場合は、一度成功すると、そこで大会社ごっこにはまるのが多くて(笑)、高須賀さんのような人は好きだなあ。雑誌だって、創刊時が一番面白いのであって、何事かを始める時の高揚感はたまらない。

◇今日は、オンブックのパーティである。著者を中心に、業界関係者と株主だけに案内した、僕らのパーティとしては、こじんまりとしたものである。30名ほど。著者は10人ほど。それぞれ自分の本を出した人だから、個性と実行力のある人たちで、とても豊かな時間を過ごせた。オンブックは、僕自身が出したい本を出すための出版社というより、出したいものを持っている人たちの支援サービスというスタンスなので、約1年半で75冊の本を出せたことは、嬉しい。いずれも、著者の心のこもった本になっていると思う。

▼参加していだたいた著者は以下。
室井忠道さん=「天使のメッセージ」著者
田尾宏文さん=「ニートという生き方」著者
渡辺勝一さん=「歴史の終わりの終わり」著者
豊田 誠さん=「脳:永遠の不確実性との共生」著者
渡辺順太郎さん=「都市野営読本」著者
本橋恵一(本橋牛乳)さん=「クマによるとこの世界は」著者
夕日さん=「ラピス暗号のなぞ」著者
白瀬美智男さん=「ウォーキングで人生楽しもうよ!」著者
岩谷啓子さん=「ぼくらに英語が分からない本当の理由」の著者・岩谷宏さんの
奥様
石上孝子さん=「ロハスな猫たち」著者・青山久住さんの姉上

◇バジリコの長迫社長も安藤くんと一緒に来てくれて、いろいろ相談。新文化の石橋編集長も忙しい中、参加。いろいろ激励する(笑)。

◇やはりパーティは、何か一緒に生きたという人だけの集まりの方が気分が良いな。終了後、天狗で閉店まで関係者2次会。岩谷宏のカミさんである啓子さんが来てくれたので、久しぶりにいろいろ話す。岩谷さんは、優しい穏やかな老人になってきたようである。もっともだと思う。

11月10日(土)
◇昨日のパーティの余韻も消えぬまま、リアルテキスト塾の講義の日である。この塾も8期を迎え、少しずつ改良されてきたメソッドも、一つのスタイルになってきた。ただ、橘川が話す講義だけは、毎回、微妙に違ってしまうのは、これがライブだから、観客の反応や視線によって変わってしまうのは仕方ない。

◇2日間、もの凄い分量の言葉を発した(笑)。

11月11日(日)
◇下北沢の「ビレッジバンガード」に行く。友ちゃんが「下北のビレバンで『微力の力』が、ものすごく優遇されて陳列されてるよ」と言っていたので、挨拶に。店長の吉川さんという人が、帯に推薦文を書いてくれているので、吉川さんを訪ねたが、すでに千葉の方の店に移動になっていて、加藤さんという方に挨拶。確かにとても丁寧に陳列。橘川・村松の手書きのPOPが(笑)。ビレバンは、どんどん進化しているな。本屋に限らず進化しない店舗は廃れるな。店舗は雑誌だから。
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▲「70年代に生まれそこなった僕たちの21世紀を生きぬくバイブル」とある。
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▲一番目立つ視線の位置に並べてくれている。

◇下北沢をぶらぶらと歩く。いろいろな思い出が蜃気楼のように現れる。これだけ長く生きていれば、東京のあちこちに、思い出蜃気楼が現れる。女子高生だった岡崎京子は下北の床屋の娘。宮脇和は木造の2階にある「グループおりじ」で子どもたちや親たちと真剣に付き合っていた。80年代、松岡裕典の事務所では、パソコン通信「wenet」がスタートし、さまざまな人脈が合流していた。「LADY JANE」は、まだあった。この店は、70年代の前半、新宿ゴールデン街にあった「比丘尼」というスナックのママだった恵子さんが始めた店だ。あの頃、ゴールデン街で遊んでた女の子たちは下北沢とか小田急線沿線に住む子が多かった。下北沢は新宿と渋谷を結ぶトライアングルだが、80年以降は渋谷の方が磁力が強くなったのだろう。
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▲「LADY JANE」

◇ともあれ、密度の濃いい1週間だった。日記を書くのに3時間かかってしまった(笑)。

◇11月16日(金)は、ミニシンポジウム:ウェブと教育問題の最前線があります。まだ人数入れますので、ご都合のよい方は参加してください。滑川海彦、亀田武嗣、橘川幸夫の講演です。無料です。

2007年11月03日

一週間の日記 10月29日から11月4日まで

10月29日(月)
◇あちこちで「日記」読んでますよ、と言われる。「一週間の日記」というのは、70年代「ポンプ」で開発したコンテンツ・スタイルなんだけど、自分にとっても一週間を見直すために都合がよいし、読む人も、毎週一回コンスタントに公開されれば、週刊誌のような感覚で読めると思う。メディアはリズムが必要なのだ。生活にリズムが必要なように。

◇東京生まれは短気というか、せっかちなんだけど、それに加齢が加わって、どうもますます短気になってきたようだ。僕の場合、現実で起こることにはかなり寛容なんだが(怒る時は「教育」の意味を込めて意識的に怒る)本質的なことについては、とても不寛容。学生の時も、いつもニコニコ付き合ってた奴と、突然「絶交だ!」と宣言したりして、「なんだか分からない奴だ」と言われたりしたが、その体質は変わらない。僕が本質的に嫌いな奴は、自分で努力しないで、他人の力を借りて楽しようとする人。最近では「ロハス」だとか「サスティナビリティ」とかいう言葉を振り回して、あたかも何かを言った気になってる奴。こんなのブランドファッションと同じだ。問題は新しい言葉ではないだろうが。こういう連中ほど、たいした実効性のある行動をしていないくせに、「日本は遅れてる」みたいな言い方を平気でする。あんたらは明治以降、どこへも進んでないよ。そうした「あちら族」も嫌いだけど、あろうことか僕のことを、そうした「新しいトレンドの一種」みたいな感じでアプローチしてくる奴がいる。ええかげんにせえよ。(「あちら族」というのは戦後初期に、アメリカかぶれした階級の奥さんが「あちらでそういう服装はしませんのよ」「あちらではそういう考えは野蛮と言われますのよ」と言ったことから流行った言葉)

◇リアルテキスト塾で教えていることは「自分の書くべきことを、自分の外部に探しに行くな」ということである。

10月30日(火)
◇オンブックの市川が青森県八戸市で携帯のオーサリング講座をやることになったので、定例会議は火曜日にやることになった。一回目の火曜日会議だが、中村さんは「愛しのサザビー」の入稿で動けない。今年のはじめに、このサイトと出会って、ソニーでの携帯配信をつなげ、バジリコの長迫社長にプレゼンをし、ようやく入稿までこぎつけることが出来た。オンブックは小規模コンテンツ流通システムを目指しているが、多くの人に読んでもらう可能性のあるものは、外部の出版社と組むことにしている。今回のケースが一つのモデルケースとなるだろう。

◇なお、バジリコとは、田宮模型の箱絵を書き続けてきた上田毅八郎さんの画集の編集も進めている。インタビュー集は、オンブックで発行した。『波乱万丈!船艦大和を描いた男 静岡が生んだ船舶画家・上田毅八郎』榎戸真弓・著

10月31日(水)
◇八丁堀の「大阪屋」で金子くんと待ち合わせをして教育支援協会の吉田さんの所へ。吉田さんのような感受性豊かなプロジェクトリーダーが中教審の委員にいるということが、どれだか心強いか。大昔、林雄二郎さんが中教審の委員だったということを先日、吉田さんに話したら、いろいろ文科省の関係者に聞いたみたいだ。林さんもまた、感受性豊かなプロジェクトリーダーである。今度の林塾へ吉田さんも来ないか、と誘う。

◇吉田さんの来年の大きなテーマは自然体験プログラムである。今年の北海道での自然体験プログラムについては、オンブックで資料集を出す予定だ。吉田さんが、先日、何かの講演会で講師をやった時、別の講師が昆虫学者だったとか。その人は「最近の子どもは自然と切り離されているから、昆虫と遊ぶことがなくなってる。昆虫採集をしなくなるということは、将来、昆虫学者になろうとする子どもがいなくなるということだから、昆虫学という学問そのものが危機的な状況だ」と語ったらしい。ユリイカ、な話だな。こういうことがあらゆる領域に渡って問題になっているはず。その他、面白い情報をいろいろともらってくる。

◇八丁堀から日本橋は近いだろうと思って歩き出したら、えらく遠い。三井不動産の滝山さん訪問。昼飯に鰻をごちそうになる。来年は三井さんとも、いろいろ仕事をしたい。

◇帰りに喫茶店に寄る。日本橋は刃物屋の木屋の地下にある「喫茶・木屋」がお気に入りだが、最近は、裏通りにある日本茶カフェみたいな店に行くことも多くなってる。喫茶店も、どこにいってもスタバやドトールばかりでいやになる。そのくせ、若い女の子は「私はスタバが大好き」とか言うんだよな。それは、どこのスタバなんだ。僕はやはり、全国展開の店と「オーナーシェフ型」の喫茶店が併存する形が町として美しいと思うのだが。インターネットに必要な情報はインフォメーション(機能)とインテリジェンス(文化)の両方だと思うように。

◇夜は、カミさんと学芸大学の飲み屋へ。「件」(くだん)という名の以前から気になっていた店に入ってみる。なかなかおいしい。「焼き塩辛」というのが気になるが頼まなかった。日本酒が少しでも飲めればな、と。

11月1日(木)
◇11月だというのに小春日和。カミさんと渋谷のロッキングオンへ。RO69は、だいぶ整理されてきてコンテンツも蓄積されてきた。創刊号からのレビューをすべてデータベースにして検索出来るようにすれば、もの凄いコンテンツになると思うのだが(笑)。

◇有楽町の交通会館へパスポートを受け取りに行く。なんかICチップのカードがはさみこまれている。地下鉄の中でパスモの広告が出ていて、それは、パスモの定期券を使うと、どこそこの駅の改札口を通過した時に保護者の携帯に通過したというメールを配信するというサービスがはじまった、とある。おやおや、こうやって、当面の利便性ばかり追求していると、やがて人間のトレーサビリティ・システムとなって国家の管理システムに組み込まれていくんだぜ。

◇有楽町は丸井が出来たけど、似合わないな。ガード下の薄汚れた感じが都会の風情だったのに。有楽町で昼飯を食べる時は、交通会館の地下のチャンポン屋さんか、駅前のHOKOUというパン屋さんが多い。普通のパン屋さんなんだけど、2階がカウンターになっていて食べられる。カレーパンの揚げてない奴があって、これはいける。そういえば渋谷のセンター街にも、2階で食べられる店があったな。デンマークだっけ。なんか北欧とかデンマークとか店名が北ヨーロッパ。
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▲駅前のパン屋さん
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▲有楽町はいつも雨だったというような薄暗い方が好き。

◇事務所に帰ってオデコの会議。続いて教育CSR会議の会議。毎月第一木曜日の会議には大阪から山北さんが来て参加。

◇教育CSR会議の次のセミナーはWeb協会と共催で、11月16日「ミニシンポジウム:ウェブと教育問題の最前線」です。関心のある方はぜひおいでください。

◇途中から淵上周平くんが参加して、教育CSR会議の次号の編集会議。周平は元々は角川書店の編集者だったが、一時、アイトラの山根くんと会社を作ったりしてた。現在は滋賀県の方で村興しのプロジェクトを手伝いながら、東京で仕事をしている。リアルテキスト塾8期生である。

◇会議終了後、昨日も行った「件」へ、橘川夫婦+山北+周平で。「焼き塩辛」を頼んだが、本日はないのだと。どんなものか聞いてみたら、塩辛を炒めたものらしい。興味津々。

11月2日(金)
◇竹芝のインターコンチネンタルホテルのロビーで、インサイトコンサルティングの槇本さんと打ち合わせ。教育CSR会議は来年から本格的に動かす。今は、そのための地ならしと仕込みの時期だ。
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▲地震大国のマンハッタンなりそこない(竹芝から)

11月3日(土)
◇今日は文化の日か。文化というのは表面的な伝統のことではないぞ。血の中に流れていて、表に出る時は現代そのものとなるものだ。

◇世の中が休みの時は、事務所でゆっくりと事務作業が出来る。

SONYの携帯がようやくジョグダイヤルを復活してくれる。やれやれ。携帯の扱いはジョグダイヤルが一番使いやすい。特に僕みたいに携帯で原稿を書くことが多い人は、ジョクダイヤルがないと困る。早速、近所のショップに行ったら、発売は11月末だとか。早くしてくれぇ。

11月4日(日)
◇朝から企画書の整理。ああ、イメージと言葉が暴走していて原稿を書くのが追いつかない(笑)。気分転換に原宿のダイソーへ。竹下通りは相変わらずもの凄い混雑。その中にあるダイソーは渋谷周辺では一番品揃えのある100均だろう。こまごまとした日曜雑貨を購入。

▼夕暮れの竹下通り
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◇帰ってみると小沢一郎辞任。あらら、なんだか山井投手が完全試合目前の9回に、落合監督が監督辞任しちゃったみたいな出来事。マスコミの事情通は、「アメリカからものすごいプレッシャーがかかった」とか「防衛庁の問題を追求すると必ず小沢のところまで辿り着く」みたいな裏話を言い始めるんだろうな。私は、こういうドジなところを含めて小沢一郎が好きです。まるで学生時代に突然、友人に絶交宣言する僕みたいだ(笑)。まぁ、既存の政治家に期待しても仕方ないので、やるべきことは地道にやっていくしかない。

▼そりにしても9ミリは素晴らしい。