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社長日記

2006年09月26日

自費出版の流れ

 インターネットの普及に合わせるように、出版業界では自費出版会社が活発になった。文芸社、新風舎などの大手自費出版をはじめとして、既存の新聞社、出版社も自費出版事業を行っている。これらはいずれも、既存の出版システムに擬似的に参加出来る支援サービスと言える。現実には、専業の出版社や著者でも、本を出せば売れるという時代できないので、多くの自費出版物は陽の目を見ることなく著者の自室に積み上げられる。
 インターネットの流れによって、個人がメディアに対して受動的な態度から能動的に参加してくる動きになったことは歓迎すべきことであり、なんら否定すべきことではない。ただ、既存の出版システムにのること自体が「目的」ではなく、あくまでも自分の表現を不特定多数の人に伝えたいのであるなら、著者本人が、「出版発行人」であるということを自覚すべきだと思う。既存の出版界における出版社と著者の関係を擬似的に体験させてくれるだけのために高額の費用を支払うのは、もったいないと思う。
 著者が単なる「先生」と誉めあげられて満足していた時代は終わっている。これは、すでに一般出版物を発行する著者においても、単なる原稿を書いて終わりの著者ではなく、自らが営業マンであり、販促仕掛け人であるというような著者が増えてきた。特に、ビジネス書関係の執筆者にはそうした傾向が強い。こうした意識を持つ著者にとって、既存の出版社は、印刷・流通のASPサービスのようなものであろう。
 書店営業の初歩的なツールに「FAX営業」というのがある。よほど大手の出版社でもない限り全国の書店をきめ細かく営業に回ることは無理だし、書店の仕入担当者は日常的に忙しいので営業が訪問して会話出来る時間も限られている。大きな書店だと毎日何十枚とさまざまな出版社からの新刊情報のFAXが届く。不動産の物件情報と同じで、書店はファイルにして閲覧するところが多い。オンブックも利用しているが、このFAX営業代行会社の資料を見たら、利用者の3割は版元ではなく著者が行っているという。
 多くの著者の不満は「出版社は売るために何もしてくれない」ということだ。実は、売れなければ何も出来ないというのが現在の出版業界の構造だから、これは仕方ない。そうした文句を言うだけではなく、著者本人が「売るため」の動きを始めているのだ。この動きはやがて、著者本人が発行主体となって、出版社のブランドと機能だけを活用するという本格的ASPサービスの考え方に成熟していくと思われる。
 アメリカのアマゾンドットコムが開始したオンデマンド出版事業「booksurge」には、著者向けの販促サービスがオプションとしてついている。著者向けに、自分の本の表紙と内容を印刷した葉書、名刺カード、しおりなどを有料で制作してくれるのだ。こういう考え方は、オンブックにも必要だと思う。オンブックの基本的な考え方は「著者が出版社」というものであり、そのための編集、印刷、流通、販促のソリューションを提供していきたい。
 ちなみに自費出版会社は、インターネット的な時代世相に合わせて発展してきたが、ここにきてインターネットの逆襲にあっている。かつては自費出版社と自費出版希望者の間だけで打ち合わせ出来たものが、インターネットの普及によって著者希望者がインターネットで情報を収集することになり、比較情報が入りやすくなって、価格競争に入らざるをえなくなってきた。
 自費出版については、「自費出版ガイド」が中立的な視点で情報を提供してくれています。

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