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2006年05月05日

本当に出したいと思ってる原稿を待ってます。

 出版のスタートは、「出したい本を出す」ということだったと思う。それがいつの間にか「出したい」という著者・編集者・出版社の意欲はどこかへ行ってしまい、「売れる」という客観的な判断が出版することの理由になった。売れないより売れた方が良い。だけど、それは結果であって、出版することの最初の動機ではない。現代では、どんな売れっ子の作家でも、本当に書きたいことを書いているのかは疑問である。

 長野の平安堂グループは、古本コーナーを設置したということだ。新文化(2006年4月27日号)の記事に詳しいが、それはブックオフに対抗するとかいうことではなくて、長野の書店として新田次郎の作品が「絶版だから、ない」とは言えない、という本質的な理由からである。素晴らしいと思う。目の前にいるお客を大事にするという商いの基本を、書店に限らず、システム思考に毒された日本社会は、思い出すべきである。

 古書業界というのは、本のメキキとして貴重な古書を守ってきた。ところがブックオフのように、本の中身の価値などどうでもよくて、表面的な汚れがあるかないかで一律にまとめ買いされるようになると、大事な本が「破棄本」として消されていく。古本屋も、続々とリアル店舗を閉鎖して、ネット販売にシフトしつつある。新刊本と新古本と古書などが一体となった店舗が必要となっていくのだろう。

 オンブックは、出版業界全体を見ながら、システムを構築している。オンブックが目指すのは、現状の出版業界では出版しにくい企画出版や、新人デビューのサポートである。貴重な古書や資料も、さまざまな形で再登場させたいと思っている。新しい才能や、見えにくい思いを顕在化させることによって出版業界は活性化すると思う。コンテンツの活性化以外に、業界を活性化させる方法はない。

 オンブックでは大量の販売モデルは出来ないので、より広範囲に売れそうなものについては、既存の出版社につなげていく。すでに、いくつかの出版社と相談が始まっている。外国の出版社に紹介するルートや、電子ブックへのルートも確保してある。

 既存出版社の編集者から持ち込まれる企画もあるので、企画内容によって、オンブックで出すか、別の出版社に持ち込むか判断することになる。

 とにかく、少しでも可能性のある原稿は、書籍の形にして世の中に出す道を探りたい。もちろん「箸にも棒にも」な原稿については、丁重にお断りしている。

 出版が面白いのは、多種多様な価値観とセンスが玉手箱のように詰め込まれているからであり、その面白さは、僕たちが生きている社会の「面白さ」を映し出している。社会を面白くしたいのなら、そこに生きる人間、僕たち一人一人が面白くならなければならないのだろう。
 あなたの個性の表現を待ってます。

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